近江商人とは?

近江商人とは?

商売を行う人の中でかなりの知名度を誇る近江商人とは、近代商社の原型を作ったと言われている中世から近代に掛けて活躍した近江国(現在の滋賀県)出身の商人の事を指します。
富山の薬売りと呼ばれる行商と出店を行い商売を成功させて後廻船業にも進出しました。
商売を成功させる為に売り手良し、買い手良し、世間良しとの「三方良し」という考え方で江戸時代には多くの成功者を出しました。

弊社TGMでは経営の理念として「三方良し」との考え方を取り入れている事から近江商人については私自身以前から勉強してきました。

この一般にも知られている「三方良し」という言葉ですが実は「近江商人商売十訓」という物に含まれている言葉です。

今回はそんな近江商人の商売十訓と三方良しについて解説いたします。

近江商人の商売十訓

1.商売は、世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり

この商売十訓のうちの1番初めの言葉が近江商人の「三方良し」の元となっております。

商売(経営)は自分たちだけが良い思いをするのでは無く「世の為」・「人の為」に方針する事で自分たちの利益が生まれるという考え方です。

私自身非常にこの考え方に共感するところが多く弊社の経営理念としても取り入れています。

お客様に満足頂き適正な価格で販売が出来るからこそ自社に利益が残りその利益を世の為の投資(人材採用・税金支払い)が出来るという考え方で会社経営をしています。

2.店の大小よりも場所の良否、場所の良否よりも品の如何

これも非常に分かり易い言葉です。商売に於いて重要なのは店の大きい・小さいかよりも「出店場所」を重視せよとの事です。

また出店場所より更に商売に於いて重要なのは「商品の良さ」という事を近江商品の方は言っています。

3.売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる

この事は皆さんも経験した事があるんじゃないですか?例えば車のディーラーに行って車を購入する時の事を考えてみて下さい。

車を購入する前には店員さんがこれでもかという位にセールストークをしてくれます。

そしていざ車を購入すると何年も音沙汰無し。という事はありませんか?

車に限らず洋服や飲食店もそうですね。

これはリピーターのお客様をいかに生み出せるかというビジネスの観点からも非常に重要なポイントです。

売った後にこそ買って頂いたお客様に奉仕する。

この事が出来ているお店はなかなか無いのでキチンとこの事が出来るだけでもお客様から支持されるお店作りが出来ます。

4.資金の少なきを憂うなかれ、信用の足らざるを憂うべし

商売(経営)をしているとついつい出てしまう言葉が「これはやった方が良いけど資金がなぁ…」・「あれは大手さんでお金があるから出来るんだよ…」
こんな言葉言ってしまっていませんか?

今は大手になった会社も昔は個人商店のような資金の乏しい形で創業したわけです。
しかしお客様からの「信用」を獲得し徐々に取引を増やしていき結果大手で資金が潤沢になって訳です。

商売や人間関係においてもそうですが「信用」を積み重ねる事が何よりも大事です。

5.無理に売るな、客の好むものも売るな、客の為になるものを売れ

これも商売を行う上で重要な考え方です。

「客の為になる物を売れ」これがなかなか難しい。

経営をしているとついつい目先の資金繰りや予算の為に「無理に売る」という事をしてしまいたい誘惑に駆られる事があります。この無理に売るという言葉には「客への押し売り」・「無理な安売り」と2つの意味があります。

どちらも商売にとっては理の無い事ですのでこの無理に売る事をせずに「客の為になる物を売る」という事が大事な訳です。

あなたの商売のリピーターになってくれるお客様であればあなたがお客様の為になる物を売ればその事に気付いてくれてお店の事を信用してくれ繰り返しあなたのお店を利用してくれるでしょう。

6.良きものを売るは善なり、良き品を広告して多く売ることはさらに善なり

この言葉も私は深く思うところがある言葉の一つです。

元々私自身商売を始めた頃は「良い物」を提供している自信がありました。

私自身も良い物を提供しているのだから世間のお客様はいつかそれに気付いてくれるだろう…とそんな風に考えていました。

しかしながらこの方法ではなかなか商売は発展しません。

なぜならば広告を行わなければ世間一般のお客様になる可能性のある方に「全く知られていないから」です。

良い物・良いサービスをしっかりと「広告してこそ」世の中に広まります。

実際に弊社でも広告(ウェブマーケティング)に取り組んだ時から一気にお客様が増え結果としてより多くのお客様にご利用頂き事業を拡大する事が出来て従業員の雇用を増やし多少なりとも地域社会に貢献する事が出来るようになりました。

7.紙一枚でも景品はお客を喜ばせる、つけてあげるもののないとき笑顔を景品にせよ

これは「損して得を取れ」との考え方にもつながりますが要は「おまけ」をつけてお客様に少しでも喜んで頂くという事です。

近江商人は子供のいる家のお客には紙風船などを薬のおまけとして子供にあげて喜んでもらっていたそうです。子供を喜ばせてくれて気分が悪くなる親はおりませんのでそこから置き薬の営業や代金回収を円滑に行っていたそうです。

ビジネス的に考えてもおまけのコストからのお客様から得れる満足度(信用)の価値が高いので費用対効果の高い良い仕組みと言えます。

8.正札を守れ、値引きは却って気持ちを悪くするくらいが落ちだ

これも経営を行う上で非常に重要な事です。経営に於いて利益とは「企業存続の為の必須条件」です。

利益というのは「顧客満足度」と「生産性」を高めなければ出ません。

値引きをしない為には「顧客満足度」をもっともっと高められないかと常に考える癖が必要です。

お客様の為になる付加価値を商品やサービスにどれだけ上乗せ出来るかが値引きをしないで物・サービスを売る為のポイントです。

9.今日の損益を常に考えよ、今日の損益を明らかにしないでは、寝につかぬ習慣にせよ

経営というのは1日1日の積み重ねです。

1ケ月30日を達成率100%と考えるのであれば1日あたりの達成率は「3.3%」です。

もしもあなたの商売の目指す利益が月に100万であれば1日100万円の3.3%の「3.3万円の利益」を生み出さなければなりません。

弊社でも1日単位の予算表を毎月作成し毎日対予算費をみて「今日の損益を明らかに」する事を創業以来行っています。

また今日の予算が足りない場合にはどういった手を打つかという手法も何通りも持っておりすぐに1日の予算の遅れを取り戻す仕組みとしています。

10.商売には好況、不況はない、いずれにしても儲けねばならぬ

これはもう本当に…「仰る通り…」としか言いようがありません。

会社経営というのは「利益を出し続けなければなりません」利益が無ければ事業として存続する事は出来ません。

景気の波は好景気・不景気と交互にありますがその中でも商売をやっている以上どんな時でも利益を出し続け儲けなければなりません。

その為に世の中が今どんな大きな流れになっているのか?お客様のニーズはどこにあるのか?

こういった事を常に考えながら商売にあたらなければなりません。

まとめ

いかがだったでしょうか?弊社でも近江商人の三方良しを会社の理念に取り入れていますので折に触れて考えておりますが考えれば考えるほど商売の本質を突いていると思わせられる十訓となっています。

自分の商売の中でまだまだ取り入れられる個所もありますので日々深く考え・理解しお客様・世間・従業員の役に立つ価値ある事業を創り上げたいものです。